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70才からの一人暮らし

70才からの一人暮らし

月5万円で、南米暮らし。 

1.お金が無いから、南米に行ってみよう!


 20世紀末、1999年に私は夫を亡くした。ガンだった。
 夫は自分の会社で《保証人》というものになっていて、マイナスの財産が残った。 残された私達家族は財産放棄の手続きを取った。
当然家も無くなった。

 遺族年金も無かった。
夫の支払った年金保険料の月齢が2ヶ月間足りないという理由だった。
「2ヶ月分支払いますから。」と言ったが、社会保険事務所の答えはノーだった。
死亡一時金として、12万円のみが支払われた。   私は家無し、金なし、夫なし、の三無となった。

 その半年後に私はガンの手術をした。
文字通り『泣きっ面に蜂』状態だった。

 しかし、私は《天涯孤独》ではない。
娘が3人とその夫達と孫10人、合計すると16人になるのだ。 三無の私を、娘たちは「わが家においで、おいで!」と争うように誘ってくれる。

 手術から5年ほど経って、やっと私は僅かの年金を受け取ることになった。
年金受給は嬉しい! と思ったのもつかの間、5万ちょっとの年金で自立は至難の業。

都会で暮らすには、家賃も食料品も高すぎる。
田舎で暮らすか? 交通手段は?
田舎住まいをして、どこにも行かずに、ひっそりと暮らすか。


そうだ!
何処で住むか、決断する前に、ちょっと世界を見て来よう!!

ホントはスペインやイタリアに行ってみたいところだが、今はユーロが高すぎる。 インドや中国にも行ってみたいが。

いっそのこと、日本から最も遠い南米に行ってみようか。
第一どうせ英語もしゃべれないのだから、スペイン語圏でも同じことだろう。


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